あがり症を克服する方法とはッ?!あがり症を薬で治せるって本当?
例えば、今日は大事な顧客の前でプレゼンというとき・・・
ああ、ドキドキして前の晩から全然眠れない。
もうすぐ始まるのに、顔は真っ赤、足はガクガク、こんなことで大役が果たせるのかな?
不安で不安でさらにドキドキが止まらない・・・。
あるいは、本命校の入試当日。問題用紙を開く手が震えて、何が書いてあるかちっとも目に入らない。この日に備えて一年間勉強したのに、
ああ、どうしよう・・・。
適度な緊張はモチベーションを上げてくれますが、あがって何も手につかなくなってしまうのは困りものですね。ここではあがり症の原因と克服方法について考えていきましょう。例えば薬とうまくお付き合いする方法もあるんですよ。
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あがり症とは何か?どういう心理状態か?原因は?
そもそもあがってしまうって、どういう状態なのでしょうか?
舞い上がって何も手につかない状態?
人間の体の仕組みからちょっと考えてみましょう。
あがり、とは、血中のノルアドレナリンという物質の値が上昇している状態です。ノルアドレナリンは覚醒や興奮にかかわる神経伝達物質で、脳が自分の身を守る必要を感じたときに分泌され、交感神経を刺激して優位にする作用があります。
ご存知の通り、交感神経は副交感神経とともに自律神経を構成します。リラックスや弛緩傾向といった、オフの状態をつかさどるのが副交感神経であるのに対し、交感神経はスイッチを入れてさあ行くぞ!というときに働く神経で、脈拍を上げたり、緊張させたり、発汗を促したりする作用があります。覚醒をつかさどる作用もあるので、なかなか眠れなかったりします
あれ、これって・・・あがってしまった時の状態そのものではないですか?
そう、あがりというのは、つまりは緊張感、しかもあまり前向きでない緊張感のことなのです。
あがりの一番難しいところは、心理状態とも密接に関わるところ。
誰にでもある正常な反応には違いないのですが、中にはあまりの緊張感の強さゆえに、社会的な不適応を起こしてしまう方もいらっしゃいます。これが昂じると、社交不安障害と呼ばれる精神疾患になってしまうこともあります。これが「あがり症」です。
単純にその課題に対する緊張の過度の強さ、というだけではなく、失敗した時の記憶がさらに問題を引き起こすようになり、対人恐怖、赤面恐怖、笑顔恐怖症などの二次的症状を起こすこともあります。むしろこちらの方が問題で、明らかな精神疾患なので、こうなってしまうと医療機関を受診した方がよいでしょう。
あがり症を克服する方法を教えます!
ここまでみてきたところで、あがり自体は脳のメカニズムの問題だということがわかりました。なので、どんなに場数を踏んでも、残念ながら解決することはありません。
また、一方で、交感神経の作用という、生命を守るために必要な、ごく当たり前の反応でもあるのです。強めの緊張という状態は誰にもあることですが、それを対人上の大問題としてしまうか、クリアすればいいだけの課題でおさめてしまうか、どうもそこが一番大切な気がしますよね。
ところで、あがり症になりやすい人って、どんな人でしょうか。
完璧主義な人、真面目な人、神経質な人、というイメージでしょうか。そう、その通りなのです。
過度の緊張というだけの問題ではなく、そのために力が発揮できないのではないかと気に病みがちな人が、同じような課題にぶつかるたびに過去のマイナスの学習を思い起こし、悪循環に陥っているのが実情なのです。
まず、あがりという身体反応そのものはそのまま受け入れましょう。
あがっちゃいけないと思うことはないのです。あがってしまって当たり前なのです。
あがっている自分を認めましょう。まずそこが出発点です。
その上で、その緊張をどのように味方につけるか、少なくとも実力を損なうことがないようにできるか、それこそが大切と考えてみます。
ドキドキするのは仕方がないと割り切り、でも、それを少しでも落ち着けるために必要なのは、そう、副交感神経的な働き、つまりリラックスさせることなのです。
交感神経と副交感神経は拮抗し合う働きがありますので、副交感神経をなるべく活性化するために、とにかく体を弛緩させ、なだめることを考えましょう。
具体的には、体をときほぐすためのストレッチや、ゆっくりした動作を意識的に心掛けることなどが挙げられます。事情が許すなら、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることもよいでしょう。
過活性してしまった交感神経を少しでも穏やかにさせることが、単純なようですが、ドキドキを鎮める一番の方法です。自分なりの方法を見つけてみるのも手です。
そして、あがって失敗してしまった過去のことにとらわれすぎない。きっと今回もうまくいかないと思うと本当にうまくいきません。それがまたこじらせるもとになるのです。
あがりを「あがり症」にしないことです。
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あがり症は薬で治せるって本当?!
あがりも重度になると、「あがり症」による対人不安という精神疾患に至ることがあると述べました。
精神疾患は精神疾患で、専門家による細心の注意を伴う治療が必要な病気なので、素人判断はできません。
ここでは、そこまで至らない、過度の緊張という症状に対する処方について考えます。
人に寄って向き不向きはありますが、あがり、つまり過度の交感神経優位に対応する薬は存在します。
述べてきたように交感神経優位が問題であれば、そこに働きかけ、副交感神経とのバランスをとるために、軽い安定剤の服薬が効果的なことがあります。
イライラをおさめる薬、ということで、処方箋なしで買える市販薬もあるので、気になる方は利用してみるのも手だと思います。
ただ、精神系の薬は、神経やホルモンに直接働きかけるため、同じ薬でも人によって合う合わないがあります。見た目に症状が同じでも、そこに至る精神神経系統のメカニズムが人によって全く異なるケースがあるというのがその主な理由です。
ですので、専門医が処方する薬でも、同じ症状でも効き目が全く異なったり、副作用が多く出てしまったり、非常に難しいのが精神薬です。
そのような事実を踏まえた上でなら試してみる価値はありますが、薬を飲めばあがり症が治る、という単純な考え方での服用はお勧めできません。
もし相性が合わなかったとき、薬を飲んでもやはりダメだった、という失敗体験が、また症状をこじらせることにつながりかねないのです。
もしかしたら改善されるかも、くらいの気持ちで試してみるのが良いのではないかと思います。
最後に
あがりそのものは人体を課題から守るための正常な防御反応なので、心配することはありません。ただ、それがもとで仕事がうまくできなくなったり、人前で話すことが怖くなったりするのは、また別問題です。
その先は人間の心理の問題となりますので、自分なりに解決方法を見つける努力も必要だと思いますし、一人では手に余ると思えば相談機関や病院を訪ねるのも意味があります。その中で薬という選択肢もありますが、これが万能ではないということはよく認識してください。
適度なあがりは成功のもと。
そんなおおらかな気持ちで、プレゼン前のドキドキとお付き合いしていけたらいいですね。
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